宗教について 〜 人の生と死を考える 注96

公開: 2023年4月1日

更新: 2023年4月23日

注96. 相対的貧困

貧困には、相対的貧困と絶対的貧困の2つの貧困があります。相対的貧困は、1つの社会の中における、相対的な豊かさと貧しさの格差を問題にしています。絶対的貧困は、住む場所に関係なく、生きるために摂取すべき食物を、必要量摂取できないほど収入が少ないかどうかを、問題にします。

現在の世界では、1日当たりの生活にどれだけの資金を支払うことができるかを計算すると、1日、米国の1ドル以下のお金しか使えない人々が、数多くいます。つまり、世界の人々の半分以上が飢えているのです。これが、絶対的な貧困です。これに対して、日本の国内では、学校給食の給食費を支払えない家庭の子供が、数多くいます。これは、相対的貧困です。

特に、最近の日本では、両親が離婚して、母親が子供達を引き取って育てている例が増えています。そのようなシングルマザーの家庭では、母親の給与収入が少なく、相対的貧困に陥る例が多い、と言われています。母親が、頑張って働いているうちに、体力の限界を超えて、病気になり、収入が激減して、相対的貧困に陥る場合などがあるからです。

現在の日本の社会制度では、そのような状況に陥った家庭の子供達に、大学教育を受けさせることは、ほとんど無理な状況です。そのことが理由で、その過程の子供たちが高等教育を受けられなければ、高収入が得られる仕事に従事することも難しくなるため、結果として、その子供達も貧しい人々の階層に、留まることになります。

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